SEが管理職を目指す場合、適性の有無を考えるのが重要だ。十分に管理職としての役割を果たすための能力が備わっていなければ、抜擢されることはあまりないのが現状だ。

重要なのが、ファイナンスに関する知識を習得していることだ。ただ現場でエンジニアとして働ける多様なスキルを持っているだけでは、管理職にはなれないだろう。
ファイナンス全般に関する基礎知識を付けるのは努力次第で誰でもできることではあるが、それ以上に重要なのが、利益へのこだわりを持っているかどうかだ。
企業経営をする立場になると、常に利益を追求することが求められる。どれだけ社会的に認められる事業を成功させることができたとしても、赤字経営になってしまっては企業が倒産するのは必至だ。
そのため、ただ企業としての知名度を上げたり、収入を増やせたりする事業を考案するだけでは、管理職として十分とは言えない。経費を減らし、事業利益を全体的に増やす戦略も考えることで、管理職としての役割を果たせるようになる。

そういったことから、IT関係の仕事だけに興味を持っているSEには、あまり管理職としての適性はないと言える。IT事業を低コストで行えるようにするにはどうすれば良いかということも考えて利益を追求できる考え方を持っているSEは、管理職候補として有力になるだろう。
管理職を目指したいと考えているのなら、ファイナンスを学びつつ、利益はどのようにして生み出すものかを学ぶことが大切だ。